第11章 自己嫌悪のカタチ
バカだなぁ、私。
あーバカだ。本当に、バカ。
こんなバカな女だったっけ?私って。
分かってるのに。
分かってるのに、止めることができない。
「分かってるって言ってできてないのは、本当は分かってないからだ。」
昔、そう親に注意された。
・・・・・・・・・分かってるつもりだけど、分かってないのかな。
バカにされて当然かもね。
シャワーを止め、体を拭く。
下着を着ける。
髪を乾かす。
化粧をする。
ポーチからディヒューザーを取り出し、いつもの香りを纏う。
鏡の中の自分と目を合わす。
ちゃんと元通りになっただろうかと、問いかける。
こんなことしてるなんて、億尾にも出しちゃいけない。
こんなこと思ってるなんて、微塵も見せちゃいけない。
これは遊びだから。
本気なんかじゃないから。
嵌るな。
堕ちるな。
好きなんて思っちゃダメ。
好きだなんて思ってない。
深く深く暗示をかける。
感情を凍らせる。