第4章 キサラギちゃんバースデー!
<キドside>
「きゃっ!」
ユアが悲鳴を上げる。
見るとつけたエプロンに、べったりとソースがついていた。
「ユア…やっぱり料理はいいから
デザートでも作っててくれないか?」
「え?いいけど…」
俺がボールを取って言うと、ユアが首を傾げた。
たぶんちょっとこぼしちゃったとか思ってるんだろうな。
「ちょっとじゃないだろ、これは…。
なんでお菓子作りはうまいのに料理はだめなんだ。」
「なんかやりにくいというかー」
そう言いながら、別のボールを取り、何かを考え始める。
そして卵を2つ手に取り、片手に持って割った。
目の色が変わる。顔から笑みが消える。
お菓子作りになると、ものすごく真剣な表情になる。
手際よく卵を黄身と白身に分け、泡立てていく。
それが終わると、今度は別のボールに白身を入れ、
ハンドミキサーを出して泡立て始めた。
「…ほんと、なんでだめなんだろうな。」
「……。」
無言で作業を続けるユアは
聞いているのか聞いていないのか。
俺も、頑張らないとな。
そう呟いて、俺も作業に戻った。