第3章 遅くなりました キドさんバースデー!!
<キドside>
「はぁ…」
思わず逃げてきてしまった。
しかし…気にならないと言えば、ウソになる。
とりあえずケータイを取り出して音楽を流す。
ここから出ようかどうか考えていると、
ケータイから聞き慣れた声が聞こえた。
『キドさんキドさん!』
「ん?…エネか。」
ケータイを取り出すと、
エネがにやにやしながらこっちを見ている。
…そうだった。
こいつはカノと同じくらいこういうのが好きだ。
『可愛いじゃないですか。
カノさんのところに行かないんですか?』
「いや、実は…。」
事情を説明する。
実はここにはユアについてきただけだから、
帰り道が分からないのだ。
だがエネがいればどうにかなる。
『なるほど。
でも、カノさんのことは気にならないんですか?』
「は?何であいつを俺が気にしなきゃなんないんだ。
あいつはユアもいるし大丈夫だろ。」
『ふふ…知ってます?ユアさんって、
怖いのダメなんですよ、キドさんと同じで。』
エネが意味ありげに笑う。
『見たくないですか、ユアさんの泣き顔。』
「…まぁ、見たくないと言えばうそになるが……。」
『じゃあ、行きましょう。
お、ちょうどユアさんたちが
お化け屋敷に入るみたいです。』
ほらほらというエネの声に従って、その場所へと向かう。
…俺も怖いのダメな…いや、大丈夫だ。…たぶん。
『怖いんですか?』
「い、行くぞ。」
『はい!行きましょう!』
足を踏み出した。