第3章 遅くなりました キドさんバースデー!!
カノとキドがそんなことを言いあっている。
せっかく助けにきたのに。
少し心の中で文句を言いながら続ける。
「カノおーじがたーすけるー……はずだったのですがー」
「誰だ!?」
ボスっぽい男が周りを見渡して叫ぶ。
目で声の聞こえる位置を制御してるから、
周りから見れば危ない人だ。
その後ろに立って、言った。
ついでに決めポーズ。
「通りすがりのユアちゃんです((きりっ
ちょっとピンチっぽいんで、
正義の魔法使いユアちゃんが手助けしちゃいます☆」
手をじゃきん!と銃っぽく構え、
振り向こうとする男のこめかみへ。
…届かないとか言わないし。ちゃんと届いてるし。
腰にあたってるとか言わないし。
「命が惜しかったらその女を離すんだな」
思いっきり低い声で言ってみた。
うーん…微妙……?ま、いっか。
男がびびって、キドを捕まえていた手を緩めた。
その隙に、キドがするりと抜けだす。
そしてすでに用意ができていたカノが
男の顔面を狙って蹴りを繰り出した。
「ぐぁ」
―ぱちぱち
「大丈夫、キド?」
「あぁ、すまないな…で、ユア?これはどういうことだ?」
「ん?さぁ?」
恐ろしい顔をしているキドから逃げようとしたが、
いつの間にか集まっていた
野次馬に囲まれていて逃げ間がなかった。
カメラを構えているのもいる。
これは…よくないかも……。
『目に浮く』
「キド。」
「あぁ、わかってる。」
『目を隠す』
風を操っての葉を舞わせ、視界を遮る。
キドの目で隠す。
ボクはキドが呟いた一言を聞いた。
「メカクシ完了、だな。」
かっこいいじゃん。