第5章 どうしよう…
準備をして、部室から出ると日吉君がなにかを覗くように見ていた。
「なに見ているの?」
「しっ!今出て行ったらまずいですよ!」
よく見てみると侑士くんと、かわいい女の子。
「あれ、俺のクラスの女子です。学年でもかわいいだのなんだのクラスの奴らがほざいてました。」
「うん、確かにかわいいね。」
「たぶん、告白じゃないですかね。あっ、ほら少しだけ会話が聞こえますよ。」
…「あ、あの。私、ずっと忍足さんのこと見ていてかっこいいなと思っていたんです///良かったら私と付き合ってくれませんか?///」…
それにしても、氷帝テニス部のR陣は人気すぎじゃないかなぁ。
「やっぱり、告白でしたね。忍足さん、どうするんですかね。」
侑士くん…。どうするんだろう…。
…「ゴメンやけど付き合う事はできん。」…
「あ、忍足さん断った。」
「えっ?」
なんで、断ったの?!あんなにかわいい子を。
…「なんでですか?」
「お嬢ちゃんもかわええけどな、もっとかわええ子がおんねん。俺はその子に今夢中でな。お嬢ちゃんの気持ちはほんまに嬉しいで。頑張って気持伝えてくれてありがとうな。」…
「ふーん。忍足さんやっぱり女の子の扱い上手ですね。少し、見直しました。」
「うん。優しいね。」
夢中になってる子って誰だろう…。
私は少し、考えていた。
「なにをそんなに考えているんですか。田中さんも十分かわいいですよ。自信持って下さい。」
「ありがとう。日吉君。そんなお世辞まで。」
「お世辞じゃないですよ。あそこで今告白している子よりも断然かわいいと思うし、忍足さんにお似合いですよ。
俺が言うんだから絶対です。」
「うん、ありがとう!私、頑張るね。」
「こっちに来るみたいですよ。」
「えっ!ど、どうしよう~。」
「これは、今来た振りを装いましょう。」
「わ、わかった。」