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言われてみれば、単純で。

第3章 俺と君は、曖昧で。01


今日は土曜日。
俺はいつものようにキョーちゃんの家に居る。

目の前に置かれたマグカップ。その中にはインスタントコーヒー。
それが冷めかかった頃、俺は座っていたソファから立ち上がった。
隣ではそのソファを背もたれにして床に座るキョーちゃんが静かに本を読んでいる。

彼女がすごく真剣なもので俺の存在なんて気にする様子も無かったので邪魔をする事にした。

「キョーちゃん煙草」

「あ、キッチンで換気扇つけて下さい」

「キョーちゃんも煙草」

「いや、ふたり並ぶと狭くありません?」

「問題ないよ」

「じゃあ良いですけど」

キョーちゃんは渋々といった様子で読んでいた本にブックマーカーを挟みソファに置いた。

キョーちゃんの家のキッチンは狭い。
大型の冷蔵庫が置かれている所為もあるだろう。

大人がふたり並べば肩がぶつかり合いそうになる。
隣に並ぶと、ソファに居たときよりも距離が近い。

キョーちゃんの匂いがした。
シャンプーと、煙草と、あとは何だろう。
煙草とは違う少し甘い匂い。

煙草を咥えポケットからライターを取り出そうとした。
しかしそこにライターはなかったようだ。
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