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言われてみれば、単純で。

第2章 君との出会いは、偶然で。


コンビニから5分ほど歩いたところにそれはあった。
住宅街の一角にぽつんと、一軒。落ち着いた照明と遠慮がちな看板。

まるで彼女のよう。


店の一番奥、壁際のカウンター席に案内され、横並びに座る。
彼女と店員との話を聞いてると彼女の指定席は此処らしい。

キョーちゃんはそのまま案内をした店員にいつものですね、って言われてた。
何がかと思えば、彼女は俺に何を飲むか聞いたので、多分飲み物のこと。

ホント、常連なんだな。
俺はビールを頼むと店員はこちらを見てにこりと笑ってから去って行った。

接客態度が良いのは彼女の人柄のお陰か、それとも店の方針か。
そんな事、今はどうでもいいのだけれど。


品書きの書かれた小さな板を彼女は俺の方から読めるように置く。
それを彼女が読めるように戻すと、殆んど覚えてるからいいですよ、って。
最早、常連のレベルじゃない。それ以上。

それに触れた彼女の指先の爪はいつも俺が相手しているような女のゴチャゴチャした色の付いた爪とは縁も無い、さっぱりと何もしていないものだった。

俺はこっちの方が好みだ。



「先輩、かわりましたね」

「そう?」

「なんか、すごく、先輩じゃないみたいです」


そんな時の流れを気にした彼女の話を聞いていると店員が飲み物を持ってきた。

キョーちゃんは料理を頼む。
俺に何がいいか聞いたが、キョーちゃんの好きなもので、って答えた。
ご丁寧にも苦手なものやアレルギーを聞いてくれるキョーちゃんは当時と一緒。
やっぱりしっかりしている。
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