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言われてみれば、単純で。

第2章 君との出会いは、偶然で。


金曜日、珍しく飲みにも行かないで真っ直ぐ帰ってきた。
なんだか、仕事をする気がなくて定時で帰宅したのは数年ぶりのことだった。

やる気ないし、会社にいてもなんか落ち着かない。
かといって飲みに行く気にもなれなくて...

帰宅途中、煙草を買うため自宅付近のコンビニに寄った。
そこにあったのは、随分と懐かしい顔。

俺が知ってる顔よりも随分大人びてて見た目も少し変わってた。
だけど身長はあの時とあまり変わらないまま。

幼い頃の制服姿しか見た事がなかったが間違いなくあのスーツ姿の女性は彼女だ。


あの仕事への意欲の無さがこの再会のためだったのならば今日の俺は最高に冴えてたんだと思う。


彼女は煙草を買ってコンビニの前で一服してた。
俺はその隣に立ち、彼女と同じように煙草に火をつける。

「もしかしてキョーちゃん?
 俺、覚えてる? えっと、丹羽って言うんだけど。中学ン時の」

「中学の丹羽?…丹羽、イツキ?」

彼女は俺のことを『丹羽先輩』としか呼ばなかったのに下の名前まで覚えていた。

そんな小さなこと。
だけど当時の俺が知ったら自我が保てられるか心配なくらい嬉しい事だっただろう。


それはそうと、キョーちゃん、随分と小さくなったね。
俺の事、チビと馬鹿にしてた癖に今はキョーちゃんがちびっこですよ。

俺を見上げる首が痛そうなほど、彼女は代わり映えしない身長だった。
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