第20章 選択肢は少なすぎても多すぎても困るもの
銀時「何言ってんだお前…もう一回って…」
桂「そう、もう一回だ」
オイオイオイオイ、何言ってんですか?
銀時「ほかの男んとこ行けって言った矢先にやっぱり付き合ってとか馬鹿ですかコノヤロー、言えるわけ無ェだろ!」
桂「今更カッコつけてどうする。そもそもほかの男を選べと逃げた時点でもう格好がつかんと気付け銀時」
まあ確かに、そうかもしんねェけど…
桂「おっと、勘違いするなよ」
銀時「あ?」
人差し指を立てた桂が片目を瞑って胡散臭く言う。
桂「俺は貴様を後ろ盾するつもりはない。寧ろ、同じさくら殿に惚れた男として上手くいかなければ良いとまで思っている」
銀時「…ついに白状しやがったなテメー」
桂「俺が言っているのは、告白して上手くいけとも、玉砕しろとも違う。さくら殿に返事をさせてやってくれということだ」
銀時「…」
桂「それに、銀時の言う幸せ云々の話だが…」
やめてェェェ!自惚れとか言われて恥ずかしくなってきたから!
桂「さくら殿が貴様とは幸せになれんと思ったら貴様が振られる、それだけの話だ。さくら殿の幸せを決めるのは貴様ではない。さくら殿の幸せはさくら殿自身が見つけることだ。彼女は自分で見つけられる」
銀時「…」
ぬるい風が頬を撫で、桂の髪を揺らす。
騒がしい川辺と切り離された様に静かだった。
その時
新八「銀さーん!!」
川辺にいた新八が静寂をぶち破って叫んだ。
新八「お肉、神楽ちゃんと沖田さんが食べつくしちゃいますよ!銀さん今日ほとんど食べてないでしょ、いいんですか?」
桂「何!もう肉が無くなるらしいぞ銀時!貴様に付き合っていたら俺もほとんど肉を食べていないではないか、どうしてくれる!行くぞ!」
そう言って我先にと土手を駆け降りる桂。
銀時「人ん家の肉だぞ遠慮しろ指名手配犯」
桂「奢ってもらえるのに遠慮する馬鹿が何処にいる!」
銀時「…」
でもまあ今日は
銀時「あと5枚くらいなら食わしてやる」
新八「銀さんあと3枚しか無いですよ!」
銀時「ヅラテメーちったぁ遠慮しろボケコラァァァ!!!」