第39章 キセキの崩壊
桃井と別れた黒子は家には帰らずストバスコートにやってきていた。そこで彼の携帯に荻原からの電話がかかってきた
黒子
「もしもし…」
荻原
「あ!出た。よう元気か?最近全然連絡ねーからどーしてるかと思ってさ?」
黒子
「…すみません忙しくて、元気です。荻原くんは?」
荻原
「そーかよかった!俺ももちろん元気だよ!帝光の活躍ぶりはすげーなやっぱ!月バスでほとんど毎月記事がのってるし…いつも見てるよ!」
黒子
「ありがとうございます」
荻原
「黒子は見切れてる写真ばっかだけどなっ。けど今年はウチも強いぜ、去年以上の手応え感じてる。次こそ約束守るからな!」
黒子
「…はい。楽しみにしてます」
荻原は黒子の返事の仕方に疑問を持ったのか「黒子…お前大丈夫か?なにかあったんじゃねーの?」と質問したが、黒子は黙り込んでから「何もありません大丈夫です。心配してくれてありがとうございます」と言った
その返し方に荻原はまた疑問を持ったようだが、「…ならいーけどよ、じゃ、またそのうち電話かメールすっから!」と返して電話を切った
それから黒子は携帯を持ったまま少しの間、静止していた
黒子
「…すみません荻原くん。本当は…言えなかったことがたくさんあります。何より僕は今日…ウソをついて、女の子を泣かせました。…最低、です」
そう彼が夜空を見上げながら言うとそこにボールをつきながら中学生にしては大きい彼が「ちょっとお前…コート使ってねーんならどけよ」と言い、黒子は「すみません」と言って歩き出した
すれ違った彼は、まだ少しあどけなさが残る火神だった
火神
「オイ、お前バスケ部か?」
黒子
「…はい。一応」
黒子
「…ふーん、あっそ。ま、俺にはもうカンケーねえけど。せーぜーがんばれよ」
そんなやりとりから数ヵ月後全中予選と共に、最後の夏が、来る