第39章 キセキの崩壊
それから黄瀬は練習よりモデルの仕事を優先し、青峰はただ練習をサボり屋上で空を見つめ、紫原は練習よりゲームセンターでお菓子を取っていた
しかし練習に出ている緑間はするがただひたすら自分のことを、赤司はただ勝つことを優先し、黒子はだんだん光がなくなっていく目で練習をしていた
だがそれでも試合には出て、相手校を叩き潰していった
そんな日々を繰り返していつの間にか、彼らは3年生になった
桃井
「テツくん!」
黒子
「…桃井さん」
桃井
「今日始業式だけで練習休みでしょ?一緒に帰ろ?」
彼は断る理由もないため一緒に帰り、帰路で「青峰くんは一緒じゃないんですか?」と彼女に問い掛けた
桃井
「…うん。最近はもう一緒にいる時はもうほとんどないかも…」
黒子
「そうですか…」
桃井
「だから話すこともすごい減っちゃった。青峰くんだけじゃなくて他のみんなとも部活の連絡事項を伝える時以外全然離さないし…チームは相変わらず強くて負けなしだけど、なんかちょっと…寂しいね」
黒子
「…はい」
少し前を歩く彼に桃井はふと「…ねぇテツくん、前に私が言ったこと…覚えてる?」と聞いた
それに黒子は1度口を開いたが、「…すみませんちょっと、覚えてないです」と申し訳なさそうに笑った
黒子
「本当にすみません。なんだったでしょう?」
桃井
「え?あ、ううんっ、いいの別に!たいしたことじゃないから!
それよりここから道別々だよね!」
あ…はい。じゃあ…」
そう言って横断歩道を渡る黒子の背中を見た桃井はまだ噛み合っていた時の彼らの背中を思い出し、涙を零して顔を手で覆った
彼女はしばらく、その場から動かなかった