第39章 キセキの崩壊
その日の夜、黒子は残ってドリブルからシュートの練習をしていた。しかしリングは潜らず跳ね返り、黒子は汗をシャツで拭いながら少し悲しそうな表情をした
するとそこに制服を着た赤司が「もうすぐ下校時刻だぞ」と体育館の中へ入ってきた
黒子
「…赤司くん」
赤司
「珍しいシュートの練習など…もうお前には必要のない練習だろう?」
彼の言葉に黒子は少しショックを見せてから「…そうですね」と返答し、それから数秒の沈黙のあと、「明石くんは、バスケは好きですか?」と質問した
赤司
「…?質問の意味がわからないな、その感情は勝つために必要か?」
黒子
「僕は…わからなくなってきました。今のバスケ部は以前とは明らかに変わりました。赤司くんが変わってしまったあの時から…」
赤司
「…またその話か、僕は変わってなどいない。ただ元から僕は2人いて、それが入れかわっただけだ」
黒子
「…え!?」
赤司
「別に隠すつもりなどない、信じようが信じまいがテツヤの自由だ。ただしもしそのことを変わったと言うのならばそれは必要だったからだ。僕が変わったからチームが変わったのではない。チームが変わったから僕も変わったんだ
皆の突出した才能が目覚め始めもはや外に的はいなくなった。あるとすれば外ではなく内…僕らお互いが敵になることだ
おおきすぎる力を無理にまとめようとすれば、お互いに反発し合い内部から崩壊する可能性がある。僕らはもう力を合わせるべきでないんだよ」
黒子
「そんな…何を言って…」
赤司
「だがお前と大輝はそうなった」
黒子
「!!」
赤司
「光と影と呼べるお前達2人でも光だけが強すぎたことだけで合わなくなっていった。それが光と光ならば結果は火を見るよりも明らかだ」
彼の言葉に黒子はまた絶望した時の目をしながら目を見開いて、淡々を流すように彼の話を聞いていた