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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《2》

第39章 キセキの崩壊




赤司の豹変。だがそれによる周囲の反応は、思いの外静かなものだった。一部部員は新体制以降直後で彼のことをまだあまりよく知らないものが大半だったこと

部活以外での学校生活において彼の態度に今までとさほど変化はなかった
変化に気づいたのはその場にいた「キセキの世代」達のみで、気づいたところで何もできずただ困惑するのみだった

そんな中今まで何度か…赤司の豹変をかいま見ていた緑間だけは、ある疑念を抱いていた
赤司の中にはもう1人、別の赤司がいる?

だが確認などあるはずもなく彼自身にわかに信じられない突拍子もない話で、とても人に打ち明けられるようなことはできなかった

張本人である赤司は緑間とすれ違ってから監督室へと向かった



真田
「入れ」


赤司
「失礼します」


真田
「…数日前の練習後私のいない時に、紫原達に練習に来なくていいと言ったそうだな…なぜだ?」


赤司
「なぜ?監督はあの日青峰に対して同様の措置をしていらっしゃいました。それはすなわち同等の力があれば他の者にも当てはまると解釈しました」


真田
「私はそこまで言っていない!主将といえど勝手に…」


赤司
「だから僕は監督の判断が正しいと思います」


真田
「!?」


赤司
「帝光の信念は勝つこと。ならばそのために最善を尽くすのは当然です
今のチームでムリヤリチームプレイの形にまとめてもそれは枷でしかない。最善でないのならば捨てるべきです」



彼の発言に真田は今までの赤司との違いを感じたのか、「赤司…?」と心中で疑問を抱いた

その数日後、帝光には練習試合が入っていた。その試合にはキセキの世代がスタメンとして出ていた。1番早く開花した青峰はまずドライブで1人抜いてからヘルプの2人を前にゴールに背を向けてシュートを撃った

彼らは誰もパスを出さず、1人ですべて決めており観客を圧倒させた



真田
「(赤司の言っていたことは正直私も考えていなかったわけではない。勝つことを最優先したチームプレイの排除…そしてそれは事実強い…!!以前と変わらず…いや、それ以上に…!!

「キセキの世代」の個の力を生かすためのワンマンの集合体、だがはたしてこれが…チームと呼べるのか…!?)」



ベンチで黒子は戸惑っており、桃井は困惑の表情を見せていた。が、赤司はコートで不敵に笑っていた






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