第39章 キセキの崩壊
真田が去ってから雨が本降りになってきた時青峰は橋の下にバッグを置き、自分自身はわざわざ雨に当たっていた
そんな彼のことを心配した黒子が近づくと彼は「…テツか、練習はどうしたんだよ」と問いかけた
黒子
「…赤司くんに許可をもらって抜けてきました。青峰くん、練習に戻りましょう」
青峰
「なんでだよ?」
黒子
「…!」
青峰
「なんのために練習すんだよ?試合に出れば嫌でも勝っちまうのに?
お前が言うように全力でやって、戦意も失せた相手をこれまで以上に叩き潰せるようになりゃいいのか?」
黒子
「気持ちはわかります。けど…」
青峰
「…わかる?はっ…何がわかるんだよ。教えてくれよ、お前みてーに1人じゃなんもできない奴に何がわかるんだよ!」
彼の言葉に黒子が目を見開くと、青峰は辛そうな顔をして「いっそ俺もテツみてーに生まれたかったわ!その方がハリが出るぜ!」と言った
その言葉に黒子は「僕だって…青峰くんやみんなを羨ましいと思う時はある。できることならダンクだってやってみたいし、3P決めたり、ドリブルで相手をかわしてみたい。けど、できないことを嘆いても仕方がない。だから僕は全力で、パスを回すために…」と必死に投げかけた
しかし青峰は「…誰に回すんだよ、そのパスは」と、思ってもいなかった言葉を問いかけた
青峰
「黄瀬か?緑間か?紫原か?それとも、俺だとしたら何のために?お前のパスがなくてももう、俺は1人でどんな奴にも勝てちまうのに?
あん時からお前のパスはもらってねぇ…ついこの間なのに…もうずいぶん昔のことみてーだ。俺は…もうお前のパスを、どうやってとればいいのかも忘れちまった」
そう言いながら青峰は泣いており、黒子はバスケ部の退部を勧められた時のように絶望で目を見開いた