第39章 キセキの崩壊
理事長
「バスケットボール部で今「キセキの世代」と呼ばれている5人の生徒、彼らを今後何があっても試合に出しなさい」
真田
「…なっ」
彼が理事長室に行き聞いた言葉は、彼が先程まで考えていた事とは全く反対の事であった。そのため真田は焦り、驚きで目を見開いていると理事長はそのまま言葉を続けた
理事長
「強豪として名高いバスケ部の長い歴史の中ぇも彼らの存在は別格だ。世間ではもはやヒーロー扱いと言っていい
ヒーローの活躍は我が校にとってもよい宣伝になる。しかも彼らは入部して未だ負けなしだそうじゃないか、そのまま、勝たせ続けてくれればいい」
真田
「ですが…!彼らはまだ子供です!そのような特別扱いをしては彼らにとってよくない時も…」
理事長
「何があっても、と言っただろう。特別扱いしろと言ったんだ」
目の前にいる人の言葉に真田は逆らえず、ただ歯をくいしばることしかできなかった
一方体育館では緑間が1人3Pの練習をしており、彼がふと後ろを振り向くとボールが転がっていた
「…もしこの距離から…」とう考えた緑間はそのボールが転がっている部分に行き、拾ってシュートモーションに入り撃った
すると彼のボールはいつも通り綺麗な弧を描いて、リングを潜った。その事に緑間は驚いて、自分の手を見つめた
それから後日、帝光は練習試合を行っており赤司は紫原にボールを回した。しかし彼には2人ついていたため「リターン!」と赤司が指示したにも関わらず、紫原は回転しながらダンクを決めた
そのシュートに思わず黄瀬は「スゲッ…」と呟き、緑間は「フン」と鼻を鳴らした
赤司
「紫原、決めたからいいが今お前に2人ついていた。俺に戻した方がより確実だったはずだぞ」
紫原
「あー…そう?まーいーじゃん別に決めたんだし」
桃井
「(ムッくん…力と体格は前からすごかったけど…速くなってる…!!少し前まで動きだけは1軍の中でも遅い方だったのに、今はもう…「キセキの世代」にもほとんど負けてないかもしれない…!
別人のように強くなってる、まるで青峰くんみたいに…けどだからこそ、この成長が私には、すごく怖い…)」
そう考える桃井の横で黒子は不安そうな顔をしながら彼の事を見ていた