第20章 霧崎第一高校

名前
『行かなきゃ…』


黄瀬
「えっ、名字っち！？」


名前
『行かなきゃ、あたし、後悔する』


黄瀬
「名字…っち、」


名前
『海常のみなさん、お邪魔しました！』


森山
「ああ！また会おうな俺の女神！！」


笠松
「じゃあな、I.Hで会おうぜ」


名前
『…！もちろんです！』



ガタッと立ち上がって笠松に再度お邪魔しました！と言ってから名前はその場から去っていった

笠松はそんな彼女を笑顔で見送っている黄瀬に何か疑問を思ったのか彼へ話しかけた



笠松
「いいのか黄瀬、名前…行かせて」


黄瀬
「あー…まあ行って欲しくなかったッスけど…名字っちの邪魔はしないッスよ」


笠松
「…そうか」



黄瀬は去っていく彼女の背中を見つめながら、小さく溜め息を吐いて優しく微笑んだ

その頃誠凛では相田がコートに出ている選手の前に立ち、話をしようとしていた



相田
「話すことはいくつかあるけどその前に……限界ね。交代よ鉄平」


木吉
「…な、ちょっと待てよ！もう少しなんだ！！それに今抜けたら…」


相田
「ダメよ。去年と同じようなことが起きるぐらいなら…恨まれた方がマシよ」


木吉
「…リコ」


黒子
「僕も賛成です」


木吉
「黒子…」


黒子
「僕に兄はいないですけど…守ると言われた時お兄さんみたいだと思ったし、嬉しかったです
だからこの先も守ってほしいし、この試合これ以上ムリしてほしくないです」


木吉
「…ッ」



その様子を見ていた日向は「あーじれってぇ！！！」と立ち上がり、木吉へ向かって話始めた

彼は後は任せろとか、大人しくすっこんでろとか、俺達が約束やぶるとでも思ってんのかなど、木吉にあの日の誓いを思い出させるような言葉を言っていた



木吉
「ああ…そうだな…スマン。あとは…頼む」


日向
「あたりめーだダァホ、いい子にして待ってろ
WCの切符持って、帰ってくらぁ」