過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第65章 男か女か
「良いか、おまえら。女共にこの計画を知られちゃならねぇぞ。
絶対軽蔑されるから」
「わかってるって。今夜やっと女を抱けるのかと思うと
舞い上がっちまうな」
「あのエルヴィンが娼館へ行く費用を少し出してくれるなんて、
滅多に無いからな・・・。この機会にパァっと発散しようぜ」
どうやら彼らは今夜娼館に行くらしい。
しかも費用は何故かエルヴィン持ち。
折角なので自分も連れて行ってもらおうとナナシは思った。
「ゲルガー・・・私も娼館に行きたい」
控えめに話し掛けると、ゲルガー達が驚愕の表情で振り向き
ナナシを見遣った。
いつから話を聞いていたんだっ!?と言わんばかりの驚きようで、
彼らは挙動不審になる。
「・・・マジで?でも、おまえ女だろ?」
「私は男だ」
何故自分が女だと勘違いされているのか、と思っていると
彼らは「あ、そうか」とコソコソ内緒話を始めた。