過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第65章 男か女か
「君が大人しく質問に答えていれば、こんな事はしなかったよ」
ペロリと舐め上げる舌に妙な色気を感じてしまい、
ナナシは目を逸らす。
「・・・い、言う!言うから止めろ!」
「ふむ・・・ではどこを舐められたんだい?」
「・・・・・・・・・足の甲だ。そこしか舐められてない。
だから・・・・」
「ふぅん、そうか・・・」
そう言うとエルヴィンの舌は上へ這い上がり、
足の甲を舐め上げた。
そしてそこを吸い上げ、鬱血を残す。
「なっ!?何をしておるのだっ!?」
「マーキングさ。君が一体誰のものかを示すものだ。
いくらミケでも許せないからね」
「いい加減離せっ!怒るぞ!」
「君を怒らせたくはないな・・・」
名残惜しげにされながら足を解放されたナナシは、
ブーツを履かないままで執務室を飛び出した。