過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第49章 男たちの戦い
「・・・・・・・それは君が何度もドレスアップしていた、
という事か?」
「女と偽ったほうが、男の口は軽いからな」
「男の口を軽くするため色仕掛けをしたのか?」
エルヴィンの声のトーンが低くなった事に気づき、
ナナシは押し黙る。
ナナシは彼にとって何が地雷になるかイマイチよくわかっていなかった。
「まさか、どこの馬の骨ともわからない男とベッドに・・・?」
それについてナナシは記憶を辿って過去を振り返ってみる。
エルヴィンの言う通り男共からベッドに誘われた事が
多々あったなーと思い出す。
「よくわかったな?世の男は女を口説く時、
やたらと寝室に行きたがるがお主もそうなのか?」
エルヴィンとリヴァイが明らかにピシリと殺気立ったが、
ナナシには何故彼らが殺気立つのかよくわからなかったので
首を傾げる。
実際、事に及ぶ前に情報を聞き出していたのでナナシは
無傷だったのだが、彼らはそうは思わなかったらしい。
リヴァイが無言で近づいてきたかと思ったら、
腰をぐいっと引き寄せられた。