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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第48章 秘められていた想い








ミケはふと話題の人物が不在である事に疑問を抱く。


「それで、その肝心のエルヴィンはどうした?
姿が見えないようだが・・・」

「珍しくぐっすり眠っていたようだから、
起こさないように部屋を出て来た。
多分まだ寝ているから後で朝食を持って行ってやろうかと・・・」

「・・・それには及ばないよ」


ナナシの言葉を遮ったのはエルヴィンで、
手には朝食が乗ったトレイを持っていた。

当たり前のようにナナシの隣に座ると、
ナナシに非難めいた視線を向ける。


「酷いじゃないか。私に黙っていなくなるなんて・・・・」

「睡眠不足のお主はもう少し寝ているべきだと判断したまでだ。
全然酷くなんか無い」


情緒皆無なナナシにエルヴィンは
「そうじゃなくて・・・」と頭を抱える。

別に情事後という訳では無いが、
目覚めた時隣に愛しい人がいてくれたら・・・という
男のロマンをわかってもらえないだろうかと嘆いた。

ナナシはエルヴィンの言葉を理解できなかったようで、
首を傾げている。

「・・・いや、もう良い」と諦めて朝食を口にし始めると、
好奇心旺盛なハンジが昨夜の事を根掘り葉掘り聞き始めた。


「昨日ナナシが出迎えてくれなかったから
自分から会いに行っちゃったの?そんで丸め込んで一緒に寝たの?
どうだった?ナナシの抱き心地は!?・・・勃起した?」


朝っぱらから大っぴらな発言をするハンジに、
男性陣三人が無言で睨みつける。



もう少しオブラートに包んで言えないのか、こいつは。



一人楽しそうに喋るハンジを無視した四人は黙々と朝食を食べた。








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