過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第47章 『絶世の美女』と嫉妬
「・・・良いのかい?」
「何もせぬのだろう?一晩抱き枕になるくらいで、
お主が眠れるというなら仕方あるまい」
寝間着が無いのが不満だが致し方ないだろう。
さっさとエルヴィンのベッドに潜り込んで布団を被ったが、
全く動く気配の無いエルヴィンを不思議に思い
目だけ出してそちらを窺うと、彼は顔を手で覆いながら
しゃがみ込んでいるところだった。
「おい、何をしておる?早くシャワーを浴びて入って来い。
睡眠時間が少なくなるぞ」
「・・・・・・あぁ、そうだね。それで誘ってない所がとても残念だよ」
自分で要求しておいてなんだが、
エルヴィンは少し居た堪れない気持ちになった。
今更ながら「何もしない」と言わなければ良かったと思わなくもないが、
そう宣言しなければ一緒に寝てくれないとわかっていたため
仕方無いと結論付ける。
何となく今日はナナシと離れたくなかった。
他の男に盗られると思うと嫉妬心が涌き、
我慢が出来なかったのだ。
だが、ナナシとて一応大人。
ベッドに誘われる本当の意味を察してくれているかもしれない。
普通「ただ寝るだけ」なんてあり得ないと考えるべきだ。
となれば、合意によるセックス!
何の契約違反にもならないではないか!