過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第47章 『絶世の美女』と嫉妬
「どこにも・・・行くな、ナナシ」
絞り出すように言われた言葉に、ナナシは複雑な思いを抱く。
「半年はお主の傍に居る。安心しろ」
慰めるようにエルヴィンの背中を撫でると、
彼の拘束する力が増した。
「半年なんて短すぎる。何故半年なんだ?」
「・・・・身体が悪いから、と最初に言ったろう?」
「それなら家を用意するから、退団しても私の傍にいてほしい」
「・・・・それは・・・無理だ。実家に帰らねば・・・」
「俺の傍から離れるな。君は俺の物だ」
ナナシの話に聞く耳を持たず一方的な物言いをするエルヴィンには困ったが、
そんな彼が可愛く思えてしまい、それ以上拒絶する言葉が
喉から出なかった。