過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第47章 『絶世の美女』と嫉妬
ツクモの言う通りだ。
かなり身体が辛くなっているが、
今メンテナンスの為実家に帰ったら、
今度いつ此方に戻れるかわからない。
一度異世に戻ってしまうと、どうしても数年掛かってしまう。
下手したら今共に過ごしている調査兵団の人間が老いて
死んでからやっと戻れる状況になるかもしれないので、
今直ぐ実家に帰るという選択肢は生まれなかった。
何故か脳裏にエルヴィンの姿が過る。
彼が老いても自分がこの姿のままだったら、
どのような顔をされてしまうのだろう?
化け物と罵られるだろうか?
蔑むような目で罵られる想像にナナシは身震いする。
たまらなく、恐ろしい。
「ナッちゃん・・・?」
「・・・すまぬが、帰省は半年後だ。まだここで情報収集しておきたい」
ナナシの変化にツクモは言及せず「わかった」と了承すると、
懐から小さなポシェットを差し出した。