過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第47章 『絶世の美女』と嫉妬
――三十分程前
ナナシはエルヴィン達を出迎えようと自室を出たが、
ふと気配を感じ窓の外に視線を投げるとそこにツクモがいた。
愁眉を含む顔で手招きをするツクモを無視する事も出来ず、
ナナシは彼の元へと向かった。
庭の木立に隠れるように潜んでいた彼の元へ行くと、
彼は心配そうな顔でナナシの頬を撫でた。
「顔色・・・悪いで?大丈夫?」
「あぁ、問題ない。それで用件は何だ?少し急いでいるのだが・・・」
誰かに見られでもしたら面倒なことになるだろうと考え、
ツクモを急かすと彼は悲しげな表情を浮かべながら
それに答える。
「異世で一悶着あってなぁ。ナッちゃん下手したら投獄されてまうで?
こんなとこおらんと、早う帰ろう」
どうやら自分の行動は『異世の掟』にかなり違反しているらしく、
処分されそうらしい。
殺されはしないだろうが、長期の投獄は免れないだろう。
「それに身体も問題や・・・。メンテナンスせな辛いやろ?」