過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第47章 『絶世の美女』と嫉妬
「わ!これ新色ですか!?リーネさん」
「わかる?買っちゃったんだ!綺麗な色でしょ?」
ニファとリーネが持った口紅の色を見て、
ナナシは「まさか、あれを塗らないよね?」と見ていたら
「折角だから使おう」という話になり、ナナシは思わず
「あぁ~」と情けない声を上げてしまった。
三人が同時にナナシを振り返り、気まずい空気が流れる。
・・・だって、その口紅の色は綺麗だけれど、
ハンジの顔と衣装には似合わない色なんだもん。
「・・・・・・すまない。続けてくれ」
そう言ったものの、三人は口紅をまじまじと見つめ
「この色は今日のハンジには似合わないね」と頷き合い、
戻してしまった。
気を使われてっしまったようで、この部屋にいるのが息苦しい。
だが、ハンジの出来具合に今日のお見合いの成果が
変わってくるのだと思うと少しでも彼女に綺麗になってもらわねばならない。
彼女には是非ネクロフィリアの情報を取ってきて貰わねば!!
グッと拳を握りしめながら思考に耽っていると、
ナナバがナナシの肩を掴んで、凄絶な笑みを浮かべながら
「私達のメイクに何か指摘したい事があれば言って良いんだよ?」
と言った。