過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第47章 『絶世の美女』と嫉妬
「うわぁぁぁん、痛かったよぉぉ・・・」
泣き言と共に綺麗になったハンジが浴室から出て来て、
ナナシは頭を抱えながら後ろを向く。
「何故、全裸で出てくるのだ、愚か者。せめて下着を付けるか、
バスローブを羽織れ」
一応女性なのだから、と前も隠さず堂々と全裸で出て来たハンジに
注意すると、彼女は軽く目を見張った後、
質の悪い笑みを浮かべながらナナシににじり寄ってきた。
「えぇー何?何?ナナシもしかしてあたしの裸に欲情してんの?
勃つの?むしろ勃つものが本当にあるの!?」
「女としての恥じらいを持て、と言っているのだ。
申し訳ないが、私は綺麗系より可愛い系のおなごの方が好みでな。
ハンジは好みじゃない」
「へぇ、ナナシにも女の子の好みってあったんだー。
驚きだったわー」
ガハハ!と豪快にハンジが笑っていると、
浴室からびしょ濡れになったリヴァイとミケが出て来て、
彼女にバスローブを投げ渡した。
「クソメガネ・・・てめぇはもう少し女らしくしやがれ」
「ナナシを離せ、ハンジ。それ以上抱きついていると
エルヴィンが怒るぞ」
「おー恐っ!男の嫉妬は女より恐いかもねー」
ハンジは笑いながらナナシから身体を離すと、
大人しくバスローブを着てメイク用に用意された椅子に座る。