過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第44章 変態と鈍感
連行されたのは団長執務室で・・・
その部屋の主とナナシは床に正座しながら、
最後の審判を受けるように横柄な態度で椅子に座っているリヴァイを
チラリと見遣る。
彼の手にはまだブレードが握られていて、
威圧感が半端無かった。
下手なこと言ったら、マジで削がれる!!
「で?何がどうしてガラスぶち破って落ちてきやがった?
痴話喧嘩なら誰もいない場所でやりやがれ、クソ野郎」
「あー・・・リヴァイ?私から事情の説明して良いかな?」
ナナバが苦笑しながら挙手し、
一緒に買物に行ってうっかりナナバがナナシの下着について
エルヴィンに話してしまった事・・・
それを聞いたエルヴィンが、下着を見せるように
ナナシに強要しそれを拒絶された事・・・
拒絶したナナシにエルヴィンがセクハラをしたので
ナナバが蹴りを入れた事・・・
たまたま来たミケを巻き込んだ下着争奪戦が勃発した事・・・
その挙句、取り戻そうとしたナナシが
勢い余ってエルヴィンごと下に落ちてしまった事・・・
等などを説明すると、リヴァイの殺気が更に増し、
事情も知らず巻き込まれたミケは、
成程そういう事だったのか・・・と遠い目をした。
「だから、ナナシは悪くないんだ。
責めるならエルヴィンだけを責めてほしい」
「あぁ・・・そうだな・・・」
「エルヴィンが悪いな・・・」