過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第44章 変態と鈍感
「っ!!」
「っ!?」
エルヴィンの眼光が鋭く光ったと思ったら、
彼はソファの上に置いた紙袋へと手を伸ばした。
彼の行動を瞬時に読んだナナシもそれに飛びつき、
既の所で死守に成功する。
「見せなさい!ナナシ!!一体どんな下着を買ったと言うんだ!!」
「うるさい、変態!人の下着なんぞどうでも良かろう!?」
「私のお金で買ったんだろう!?それなら私に
見せても・・・っ!」
「だったら、下着分のお金は返す!絶対嫌だ!!」
ドタンバタンと寝技に縺れ込んだ二人にナナバは
「余計なこと言っちゃったかー」と反省する。
「エ、エルヴィン止めなよ・・・。それはもう既にセクハラだって」
ナナバの言葉はエルヴィンの耳に入っていないらしく、
蹲りながら紙袋を抱え込むナナシへ攻撃(?)の手を
緩めようとはしない。
そこでエルヴィンは漸くある事に気づく。
蹲った姿勢のナナシは、小振りで形の良いお尻を
エルヴィンに晒す形を取っていて、それを認識した瞬間、
エルヴィンはムラムラしてしまった。
しかも稀に見る密着度。
魔が差しても仕方無い状況にエルヴィンの手は
自然と如何わしい手つきへと変わった。
右手はお尻を撫で上げるように動き、
時折秘部への圧迫もさり気なく行う。
蹲っている身体の隙間に滑り込ませた左手は、
迷うこと無く股間を弄った。
極めつけに首筋に唇を寄せ何度も吸うようにすれば、
ナナシから吐息混じりの声が微かに上がる。
「・・・ン・・ぁ・・・や、やめ・・・っ」
身を捩って逃れようとするが、紙袋を抱えていては
直ぐに抑え込まれてしまい、引き摺り戻される。
生理的な涙が溢れてきた時、
「ドサクサに紛れて何やってんの!」というナナバの怒声と共に
ナナシの上に乗っかっていたエルヴィンの身体に
蹴りが叩き込まれた。
それが容赦無い一撃だったらしく、
力の抜けたナナシにも余波が訪れ、
その衝撃で紙袋も吹っ飛んでしまった。
そして運が悪い事に、執務室へ入ってきたミケの顔面に
その紙袋が当たった。