第2章 サプライズバースデー
「二宮さん、降りてきましたよ?」
『目の前の車だよ。白いの』
言われた通り目の前の白い車をチラッと見ると、こっちを見ている二宮さんと目が合った気がした。
あたしは、電話を切って車に近づいた。
すると、二宮さんが車から降りてきてあたしを、助手席に促した。
「……バレちゃうから、そんな気遣ってくださらなくても……」
「早くちゃんの顔が見たかったんだ。」
「……っ……」
な、なんでそんなことサラッと言えるんだ……。
不覚にもドキッとしちゃったじゃんか!
あたしがなんとなく照れていると、運転席に戻ってきた二宮さんが、ふふ、と鼻で笑った。
「わ、笑わないでくださいよ!」
「ホント、男に慣れてないよね笑
リアクションが初々しい笑」
「別に、慣れたくありませんもんっ!」
「じゃあなんで赤くなってんだよ?
……そんな照れた顔、他の男に見せんなよ」
あたしに向けられてる、まっすぐなその瞳に吸い込まれそうで、すぐに逸らしたかった。
でも、できなかった。
……て、照れてないし……。
我に返り、慌ててシートベルトを締めた。
すると、二宮さんも体勢を戻しエンジンをかけた。
しばらく、沈黙が続いていたけど最初に口を開いたのは、二宮さんの方だった。
「ちゃんは、星とか好き?」
「えっ?……あ、好きです!ここって、よく綺麗な星出ますよね♪」
見かけによらず、あたしは物凄い星好きなんでね。
なんか、神話を研究してるとか、星座にくわしいとかではなくて、単に星が大好きなんだ。
綺麗な星空を見ると、嫌なこととか忘れられるし、自分の心がいかに汚れてるかが分かるの笑
「だよな。俺もこう見えて星好きなんだ。たまに、ロケとかが夜にあって星空が綺麗だと、やる気出てくる笑」
「そうなんですか?なんか、イメージと違います」
「あ、俺そんな風に見えないよね、やっぱり笑」
「あっ!そういう意味じゃなくて……」
「ははは笑わかってるよ。」
それから、二宮さんが考えてくれたであろうプランに沿って色んな所に連れていってくれた。
会話のなかに出てきた、プラネタリウムにも行ったしなにげ、たくさん話したし。
それが二宮さんの目的であったから尚更、話は盛り上がった。
最初はなんとなく緊張してたし、あんま乗り気じゃなかった。