第8章 エピローグ
霧が晴れる頃に 151話 カウントダウン
クラス中が騒ぎ疲れたころ、また五十嵐が『ノンアルコール』ビールで酔い潰れた辺りでお開きのムードが教室に漂う。
ゲリラがパンッと手をうちクラスメイトの視線を集めた。
「では、そろそろお開きにしますが、ちょっとその前に机の中央にあるくす玉を皆さんご存知でしょうか?」
するとちらほら「知ってたー」とか「今気づいたー」とか聞こえてくる。
「誰かがこれを開けてお開きにしたいとおもいますが!どなたか!お願いします!」
そういってゲリラはクラスを見回すが、手は挙がらない。
「どなたか!どなたかー!」
呼びかけるゲリラがそろそろかわいそうになってきたので仁は慶の背中を押す。
「ほら、行けよ」
「んぁ?おお、よし」
慶が手を挙げる。
「おっ!?やってくれるのか!?」
「ああ、『俺達』でやるぜ!」
軽快に言い放った慶に、仁、楓、冬花、林は目を丸くするが、クラスメイトの視線を受け、仕方なく4人と慶はくす玉のヒモに手をかける。
「カウントダウン!せーの!」
ゲリラの掛け声に合わせ、クラス中でカウントダウンが始まる。
3!!
2!!
1!!
「それ!」
ヒモを引き下ろし、くす玉から大量の紙吹雪が舞う。
落ちていくゲリラが1人で作った紙吹雪を見ながら仁は目を細めて小さくつぶやいた。
「こりゃ片付けが大変だ…」