第7章 霧が晴れる時
霧が晴れる頃に 141話 年度末
そんなわけで、冬花と慶というクラス公認カップルが出来上がったが、ホワイトデーということは3月の14日。1年1組というクラスが終わりに近づいているということだった。
「このクラスで過ごす残り少ない時間を大切にしろ!」
と、唐突に五十嵐は言った。
(んなこと言われてもな…)
なにを大切にするのかイマイチわからない仁は微妙な顔をして相変わらずの頬杖を付く。
もう授業もあまりやることがなく、気が抜けるこの時期、得に行事もない。
そこでお別れ会を開こうという話になり、五十嵐が反対するはずもなく英語の授業を勝手にお別れ会に変えて1年1組最後の思い出作りが行われた。