第4章 夏休み開けて
霧が晴れる頃に 100話 ゲーム
「よーっし、海、空、俺も混ぜろ」
ちょっと悲しい気持ちになった慶が気を取り直してカチャカチャゲームをしていた海と空にまざりに行く。
なんとなく、プレイヤーを含めてその場にいる全員でテレビ画面を見ていると慶が操作しているキャラクターが海と空のキャラクターにボッコボコに殴られている。
「おい、慶お前下手だろ」
明らかに当たってはいけない攻撃に自ら近付き一瞬で体力が消え去り、ゲームセットになったのを見た仁が目を細く言った。
「う~…くそぅ…」
悔しそうにいう慶を見て、仁はなにかに気付いたのか立ち上がり慶にコントローラーを貸すよういう。
「仁?お前これやるの…ってかゲームとかやったことあるのか?」
「ある、この手のゲームは小さい頃やってた」
カチャカチャキャラクターを設定しながら仁は思い出す。
昔、本というものを読みはじめ前はゲームばかりやっていたのだ、ジャンルは単純なアクションのみ。
ブランクはあるが当時の頃でもかなりやり込んだアクションゲーム、久しぶりの緊張感でゲームをスタートする。
結果は…
「つよっ!!」
その場にいる仁を除いた全員が叫ぶ。
初心者は忘れがちなガードをうまく使い殆どノーダメージで倒してしまった。
「霧ケ谷君って…出来ないことあるの?」
(霙に怪訝な目で見られるとはな)
そんなことを思いながら若干躍起になって攻撃してくる慶、海、空に着実にダメージを与えながら仁は林に言われた言葉について感想を抱いた。