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〜Mint Candy Story〜

第15章 -内緒-(黄瀬涼太)


お弁当の効果もあったのか、
黄瀬くんの小テストの結果は、
72点という高得点だった。


わたしの目標には遠かったけど、
他のクラスメイトからも
教えてほしいと言われ、
それをキッカケに友達が増えた。


そして、小テストが終わっても、
週1回、わたしは、
黄瀬くんにお弁当を作ってきて、
あの体育館の小部屋で一緒に食べた。


曜日は決めなかった。
毎週同じ日に2人がいないと
他の女のコたちに
怪しまれるかもしれないから。


わたしは普段から、特定のコと
お昼を食べるということを
していなかった。
そういうの…
女のコの集まりは少し苦手。


なんで皆くっついて行動するんだろ?


もちろん友だちはいるし、
友だちが嫌いなわけではない。
友だちと食べる時もあれば、
1人でどこかに行くこともあったので、
週1回黄瀬くんとお昼を食べるために
わたしがいなくても、
誰も怪しまなかった。


「すみれっちー。
番号交換しておこうよ。」


そう言ってきた黄瀬くんと交換した
番号とアドレス…
わたしは何度見つめただろうか。


メモでのやりとりはやめ、
連絡はメールでするようになった。


付き合っているわけじゃないけど、
黄瀬くんと一緒にいるということは、
そういったことも
気にしなければならない…
わたしはそう思っていた。


黄瀬くんは気にしすぎだと
笑いながら言ってたけど、
黄瀬くんは少し自覚がなさすぎる。
最近の雑誌でも、
『女子高生の彼氏にしたい
俳優・モデルランキング』
で、黄瀬くんは1位になっていた。


そんなに気になるなら、
黄瀬くんとお昼を食べるのを
やめればいいだけなんだけど、
週1回の黄瀬くんに会えるお昼休みが
いつのまにかわたしの生活の中で
1番の楽しみになっていた。



そんな黄瀬くんとのお昼を
やめられるわけもなく、
わたしと黄瀬くんの
内緒の関係が始まっていった。


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