第46章 優しすぎて…〈花巻貴大〉
花「最近、なんかあった?」
前を歩きながら花がそう問いかけた。
「…なんで?」
花「元気無い気がしてさ。…それに体調崩すとか朱鳥らしくないじゃん。何かあるなら話せよ?聞いてやるから。」
花の優しい言葉に私は口を開いた。
「………は……花がいないのが寂しくて……。」
花「は?俺はいるだろ?」
「違うよ!もっと恋人らしくしたいんだよ!手繋いだり、抱き合ったり……」
恥ずかしくて私はだんだん声が小さくなって、
「キスをしたり…したいんだよ………他にもいろいろ………。」
最後は花の背中に顔を伏せて言った。
花「……俺も寂しかったよ。朱鳥がひとりで寂しそうに帰っていく後ろ姿見て悪いって思ったし、一緒に帰りたいって思った。ごめんな朱鳥?」
花と同じ気持ちだったんだと思って嬉しくて、それなのに私は余計なことばかり考えて花に心配かけてしまって申し訳なさに少し涙が出た。
「うぅ。私こそごめん。」