第4章 再会と離別を同時に
「成程…アイツがいればニルヴァーナは見つかったも同然」
「コブラ、ホットアイ、エンジェル 貴様等は引き続きニルヴァーナを探せ」
「でもあの人が復活すればそんな必要は無いと思うゾ」
「万が一という事もある 私とミッドナイトはここに残ろう」
「ミッドナイトは動く気が無いみたいデスが…」
「ブレインにアギトを任せるのは不安だが…しゃあねぇ、行ってくるか」
「ねぇ? 競争しない? 先にニルヴァーナを見つけた方が…」
「100万J!! のったぁ!!デスネ」
「アギトを貸し切り」
「「のったぁああ!!」」
…三人は勝手にアギトを賭けに話を進めていた。
「一体…どんな魔法なの…? ニルヴァーナって…」
「光と闇が入れ替わる魔法だ」
*
「お…重てぇ…これじゃスピードが出ねぇぜ」
「主より速い男など…いや、アギトと勝負してみるか?」
「久し振りにねぇ…負けるかも…」
はぁ、と頭を掻くレーサー。
ブレインはくっく、と口角を上げながら言った。
そして…レーサーの運んできたものに目を移した。
視線の先には、禍々しい装飾をし、厳重に鎖が巻かれた棺桶と思わしき物。
「ウェンディ、お前にはこの男を治してもらう」
「わ、私…そんなの絶対にやりません!」
「そーだそーだ!」
キッと表情を引き締め、ブレインに反論するウェンディと目を覚ましたハッピー。
だが、ブレインは面白おかしそうに笑みを浮かべている。
「いや、お前は治す 治さねばならんのだ」
ブレインの声を合図に、棺桶を封じていた鎖が勝手に解かれていく。
そしてその蓋も溶ける様に消滅していく。
「!!?」
棺桶の中に納められていた人物が姿を現した時、ウェンディが驚きに目を見開く。
力なく下を向いた中の人物に従い、はらりと垂れ下がった碧い髪。
「この男はジェラール…かつて、評議院に潜入していた
つまり、ニルヴァーナの場所を知る者」
そう…棺桶に納められていた人物は、ジェラールだった。