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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第4章 再会と離別を同時に


楽園の塔事件以来、アギトが近辺の海を隅々まで探しても発見出来なかった事により生死不明となっていたが、どうやらブレインに保護されていたようだ。
しかしその体には楽園の塔での戦闘で負った傷が痛々しく残っており、その肌は今にも崩れそうだった。
また意識を失った顔には生気が感じられず、恐ろしいほど真っ青だ。


「ジェラールって…、え? え!?」

「ジェラール…」

「知り合いなの!?」


驚きに声を失い、肩を震わせるウェンディ。
そしてハッピーも状況が読み込めず、ウェンディの呟きで更に混乱してしまう。


「エーテルナノを浴びてこのような姿になってしまったのだ…だが、死んでしまったわけではない 元に戻せるのはうぬだけだ」


そう言ってブレインは茫然としているウェンディに目を向ける。


「ジェラールって…あのジェラール!?」

「! ハッピーもジェラールを知ってるの…?」

「知ってるも何も…こいつはエルザを殺そうとしたんだよ!
 それに評議院を使って、エーテリオンまで落としたんだ!!」


怒りに顔を歪めるハッピー。
ウェンディは悲しげに俯いてしまう。


「この男は亡霊に憑りつかれた亡霊…哀れな理想論者

 しかしアギトとこの男は…うぬにとっては恩人だ」

「恩人…? え、アギトも? どういうことなの?」


ハッピーが首を傾げながら問うが、ウェンディは再び俯き、何も答えない。


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