第4章 再会と離別を同時に
六魔将軍が去って、みんなの空気が重くなっていた。
たった六人相手に手も足も出なかった。
エルザが毒を受けてしまった。
ウェンディとハッピーが連れ去られてしまった。
そして何より…
アギトが連れて去られてしまった。
「どういう事なんだ、彼は六魔将軍と知り合いなのか?」
「知らねぇが…確かに六魔将軍の話の時のアギトの様子はおかしかった」
リオンの質問にグレイが応えた。
「弱みを握られてるのか?」
「きっとワケがあるのよ そうに違いないわ!」
「しかしアギト殿程の実力者を…確かに奴等は強いが、たった一人で捉える事が出来る程の実力だろうか?」
「構う、ものか…アギトを助けるんだっ…う!」
「エルザ!!」
立ち上がろうとしたエルザだが、地に伏せてしまった。
「不味いよ! このままじゃ毒が体中に…」
「ウェンディなら助けられるわ」
「「「!?」」」
そう言ったのは、ウェンディと共に参加したシャルルだった。
「解毒だけじゃない 解熱や痛み止め、傷の治癒も出来るの」
「治癒って…"失われた魔法"(ロストマジック)じゃなくて?」
「まさか天空の巫女ってのに関係あるの?」
シャルルは黙って頷いた。
「あの娘は…天空の滅竜魔導士
天竜のウェンディ」
「滅竜魔導士!?」
驚きに目を見開く皆。
中でも、ナツが一番驚いたようだ。
「詳しい話は後! てゆーかこれ以上話すことはないけど
今私達が必要なのはウェンディよ
そして目的はわからないけどアイツ等もウェンディを必要としている
ウェンディを助けることによって、六魔と彼の関係もわかるかもしれないわ」
「…となれば」
「やることは一つ」
「ウェンディちゃんとアギトさんを助けるんだ」
「エルザの為にも」
「ハッピーもね!」
「おっし!」
一同は円になり、拳を前に出した。
「行くぞぉ!!」
「「「おおおっ!!」」」