第4章 再会と離別を同時に
「天空の…」
「巫女?」
「なにそれ~」
グレイとヒビキがブレインの言葉を反復した。
ウェンディ本人は何のことかわからず、目に涙を浮かべ頭を抱える。
「…これは良いものを拾った
来い!」
「きゃあ…!」
ブレインの杖から実体を持った魔力が溢れ出した。
そしてその魔力は手へと姿を変え、ウェンディの体を掴み上げた。
「「ウェンディ!」」
「何しやがる…この…」
「金に上下の隔てなし!」
「「「ぐあっ!」」」
助けに入るべく、腕に力を込めて立ち上がろうとするナツだが、それをホットアイが許さない。
「きゃあ!」
「待って!…うわあぁ!」
「ウェンディ!」
「ハッピー!」
そうこうしているうちに、ウェンディを助けようと手を伸ばしたハッピーも共にブレインの杖に吸収されてしまった。
「うぬらにもう用はない…消えよ!」
「っ、伏せろー!!」
杖からみんなに向かって怨霊のようなエネルギーが放たれる。
その時、みんなの周りの地面が盛り上がった。
「"岩鉄壁"!!」
その砂から鋭い岩の柱を隆起させ、エネルギーからみんなを守った。
「ジュラ様!!」
シェリーの言う通り、視線の先にジュラがいた。
「ウェンディー!」
「アギトー!」
シャルルはウェンディを、ナツはアギトを呼んだ。
砂埃が晴れていく。
しかし、既にアギトも六魔将軍の姿も無かった。