第4章 再会と離別を同時に
「見えてきた! 樹海だ!」
ナツを先頭に連合のみんなは走っていた。
「んー? 何だ…っべ!?」
「なぁ!?」
上空を飛ぶ何かに気を取られて足を止めたナツにグレイが思いっきり突っ込んだ。
「何すんだコラァ!?」
「急に止まるんじゃねぇ!!」
「見ろ!」
いつものように喧嘩を始めようとした二人をエルザがそう言って止める。
「「おぉ!」」
「リオン様…!」
「あぁ…!」
みんなの視線をの先には、空を悠々と飛行する巨大な飛行艇・クリスティーナの姿があった。
その形はペガサスを思わせ、青い天馬の爆撃艇に相応しいものだ。
「うわぁー…」
「すごーい…!」
「おっきいねー!」
感嘆の声を漏らす皆。
確かにこれがあれば六魔将軍も倒すことが出来るだろう。
「よし、手分けして奴らの拠点を探すぞ」
「? 何のことだ!」
「お前なー…」
やはり作戦を聞いていなかったナツに呆れながらも、作戦開始のため、エルザの声で四方に散ろうとした。
その時、
―――ドガァアアンッ!!
「な…!?」
「クリスティーナが…!!」
突如どこからか爆撃されるクリスティーナ。
飛行艇からは炎と黒煙がゴウゴウと上がり、驚き茫然としている皆を尻目にゆっくりワース樹海へと墜落していった。
樹海からは激しい爆音と共に、真っ赤な炎が立ち上る。
まだ目の前で起きたことが理解ないのか、皆は茫然と炎を見つめたままだ。