第1章 全面戦争
「教師のくせを知っている人物なら周りの先生が怪しいな」
「私もそう思う、休憩中に〇〇先生に声を掛けてきた人とかいないかな」
私の手助けと、服部くんの推理のおかげで無事に犯人は特定された。
「今日一緒に帰らんか?」
「えっ。帰りたい!」
浮かれて舞い上がってしまった。
服部くんからは親のこととか授業のこととかテレビのこととかを質問された。テレビのことは本当にただの世間話だった。
でも服部くんはどんな出来事も楽しそうに話すので胸がいっぱいになる。で、そんな彼の顔を独り占めしたあと私だけ浮かれてどうするんだ!!と後から一人で猛反省会をした。
その翌日。
私は髪の毛をくびってできるだけ雰囲気を明るくしてから教室に入る。
「お、おはよ!」
服部を含む全員が喉を鳴らす音がした。
一呼吸おいてから服部くんが話しかけてきた。
「お、名前。いきなり雰囲気が変わったな」
私の変化に少しビビっている服部くん。喜ばれると思ったが意中の人に少し引かれ、周りのモブ男子だけが「名前って意外に...」と騒ぐだけとは男心は複雑だ。とはいえ苗字名前。なんとかモブ入りルートを免れたようだ。
*
なぁ名前。お前俺の探偵助手になってくれへんか?」
印象を変えた昼休みのこと。それは突然すぎる提案だった。
「え、本当で言ってますか?」
思わず敬語になってしまって慌てて訂正。事情を聞くと昨日の私の推理力を見て、わたしの推理が事件解決の役に立つかもしれないと思われたようだ。
「他に適任になってくれるクラスメイトもおらんやろう
あんた九州人みたいやし、いっぱい大阪のええところ教えてあげたいねん。どうや?」
確かに、わたしはコナンが好きだから推理は一頻り経験してる。服部くんといれば数多の事件を解決しにいくことができるかもしれない。
でも、そんな簡単に信用しちゃっていいの。私このあいだまではナマエも知られてなかった高校生だよ。でも頷いた。守られる女の子より推理できる女の子になりたかったから。
そしてできるだけ服部くんのそばにいたいって言うわがままなところがあったから。
「あ、まだ試用期間やからな!」
「え?」
いきなり落差のあることを言われて私が拍子抜けした声をあげるとふふっと笑われた。服部くんには少し小生意気なところがあるようだ。それでもいい。私たちはまだ知り合ったばっかりなのだから。
