第1章 全面戦争
「あーあー。この二人、とうとうくっついてしまったんやな」
とあるネット記事をスクロールしていって私は思わずため息をついた。名探偵コナン堂々完結。あのコナンが作者存命のまま完結したというのはここ最近のネットニュースとしてTwitterでも騒がれ続けている大快挙だった。Twitterのトレンドには名探偵コナン、黒の組織などのキーワードが残り続け、完結したことによりまた売り上げも上がっているらしい。映画制作も終わらないらしいしよく成功したものだなと思う。
ネット記事を開いてみるとお馴染みのカップルたちがみんなくっついている絵がそこには映し出されていた。そこにはやっと新一くんのすがたに戻れたコナンくんと蘭姉ちゃんが挙式をする様子が描がれていて、ついでに公式カプも揃って結婚する様子があった。幸せいっぱいなキャラの姿。
原作者はこれだけの人数をよく描けていると思う。ファンにとっては永久保存版の理想の一枚絵だ。適当なcmをみて時間を潰しながら次のページをタップするとそこにはできた子供たちのイラストもあった。わたしはそれも幸せな気持ちで眺めていたんだけど、褐色の彼と黄色いリボンがトレードマークの子が写った瞬間目が拒否をした。指を押す手が震えてる。
でも、情報を見たくなった。傷つくのは知っていたのに、永遠に知らなくてよかったのに、じっと凝視してしまった。子供の名も、挙式の様子も。
次葉ちゃんか、女の子なんだ。
なんかいい名やん。知らないのに既視感さえあるわ。
「はぁ」
シャットアウトして仕事に戻った。胸の鼓動がおさまっていない。地雷カプを見た後は大体こうなる。
コナンは映画は見ていたものの結局あまりディープにはハマらずに時が過ぎてしまったな。
とある島の過酷な住み込みバイト。金なし伴侶なし20代後半。苗字名前。初めての恋は失恋に終わった。
コナンが完結して子供を育てる姿が出る頃には私も結婚して幸せな家庭に包まれながら新一くんや蘭ちゃんたちと同じステージに上がるはずだった。なのに、どこで狂ってしまったんだろう。毎日泥のように寝て、シフトのない休日をネットサーフィンで潰す。目覚めた月曜にはまたいつもの冷たい職場が待っている。
就職失敗した。人生やり直してえ。できれば私の人生が狂う前から。