第13章 密会〜五条家
私の頬に触れていた手が、わずかに止まっている。
脹相は、私の額にそっと自分の額を寄せた。
「……お前が離れているからなのか、余計に触れたくなる」
その声は、いつもよりずっと低かった。
「俺の恋人なのに、毎日そばにいることもできない。抱きしめたいときに抱きしめることも、眠るときに隣にいることもできない」
彼の指先が、私の頬を優しく撫でる。
「……お前が俺のものだと、実感したいんだ」
少し間を置いて、彼は目を伏せた。
「……俺の、恋人なのに」
その言葉が、どうしようもなく愛おしかった。
私はそっと手を伸ばし、彼の頬に触れた。
「ねえ、脹相」
「……何だ」
「私も、脹相が恋人だって実感したいよ」
彼が顔を上げる。
「会えない間も、ずっと脹相のことを考えてる。こうして会えたら、もっと一緒にいたいって思う」
私は彼の首に腕を回した。
「だから……今日は、いっぱい甘えていいよ」
脹相はしばらく私を見つめていた。
やがて、確かめるように尋ねる。
「……本当に、いいのか」
「うん」
「…触れてもいいのか?」
「え?」
「お前に触れたい」
「……」
そう言われて一気に顔が赤くなる。
「い、いよ」
「本当に?」
「うん…」
合わせないようにしていた視線が脹相に合わされ、物欲しそうな顔で脹相を見上げると、脹相はグッと力が入った。