第13章 尋問には黙秘を
「ホ、ホークスぅ!?」
オレ絶対塚内さんだと思ったわ、どしたのめぐちゃん、驚きに見開かれたグリーンの瞳に見つめられるとこの上なく居心地が悪い
「・・その驚きは、やっぱり、」
私じゃ釣り合わない、ってことだよね・・?、
小さく呟いておしぼりに視線を落とすと山田くんが慌てたように手をばたばたさせた
「いや、そうじゃねェけどよ!意外っつうか」
ちらりと相澤くんを見遣ったその目、言いたいことは何となく分かる
グラスの中の氷がカランと音を立てると、落ちた一粒がテーブルの水溜りをまた深くした
「・・はぁ、何気にしてるんだろ、」
開いた画面には二つのスタンプ、明日以降連絡すると言ったのは私の方だ
ゆっくりとポットにお湯を注ぐと、ふわりと茶葉が開いてカモミールの香りが部屋に広がる
時間をかけて開かせたと錯覚していた甘い気持ち、でも友人たちから見れば突拍子もない衝動的なものに見えるのかもしれない、それもそうだよね、
「・・こういう時って、友達が正しい気がする」
スクロールすると目に入った広告、ホークスの名前にどきりと胸が鳴る
週刊誌の常連だと、相澤くんもそう言っていたっけ、現役を退いてもなお衰えない人気に何とも言えない気持ちが芽生えて画面を閉じた
沈んだ気持ちを落ち着かせるようにゆっくりと注いだ紅茶、冷え始めた身体をあたためるように両手で口元へと運ぶ
目を閉じ深く息を吐いた瞬間スマホが着信を知らせて、表示された名前に胸が少しだけ騒ついた
「こんな時間に、すみません」
「・・塚内、さん?」
「お邪魔でしたか」
「い、いえ、」
どうされましたか、何かあったのだろうか、もしかして真さんに何か、背筋を正してソファに座り直すと電話の向こうで彼が苦笑する気配がした
「・・用事が無いと電話できないので」
その関係を変えたくて電話しました、真っ直ぐな声が耳元で響いて胸が落ち着かない音を立て始める
「えっ、あ、その・・っ」
「次回の約束も、店の連絡もない、それに」
昨晩はホークスの家で過ごしたんでしょう、
私を試すような声色、どきりと鳴った心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかと私は慌てて膝を抱えた