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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第16章 雄英文化祭編


もう一人の双子も、兄の視線を追うように振り返った。

廊下の向こうから、一人の女性がこちらへ歩いてくる。

人混みの中を周囲に視線を配りながら、誰かを探している様子だった。

その姿を認めた途端、三人の子どもたちの表情が一変した。


「……ママ!」


双子の一人が、今にも駆け出しそうに一歩踏み出す。


長男も、はっと顔を上げた。
けれど、彼はすぐに足を止めた。
胸の奥に込み上げる思いを必死に抑え込むように、小さな拳をぎゅっと握りしめる。

ここで、すべてを話すわけにはいかない。
それでも、ようやく見つけた。
ずっと会いたかった人が、目の前にいる。


「……いた」


少年の声が、かすかに震えた。

その呟きを聞き取ったおもちは、彼らの視線の先へと目を向ける。

「もしかして……お母さん?」

そう尋ねると、三人は揃って頷いた。

「よかったね」

おもちは心から安堵したように微笑んだ。

「お母さんも、きっと心配していたわ。みんなで一緒に行きましょう?」

彼女がそう言って歩き出そうとした、そのとき。
腕の中の赤ん坊が、再び小さな手を伸ばした。


向かう先は、やはり爆豪だった。


「ぱ!ぱぁ!」


「……おい。なんでこいつ、さっきから俺にばっか手ぇ伸ばしてくんだよ」


爆豪は困惑を隠せないまま、赤ん坊を見つめる。



すると、赤ん坊は嬉しそうに声を上げた。
まるで、その声を聞けたことだけで満足だと言うように。
そして、長男はそんな妹の姿を見つめながら、今にも泣きそうな顔で笑った。



――会えた。
今はまだ、何も言えない。
目の前の母親が、自分たちのことを知らないのも分かっている。


それでも、こうしてもう一度、母親の腕の中に妹がいる。
そして、そのすぐそばには、ずっと会いたかった父親がいる。

少年は小さく息を吸い込み、再び表情を引き締めた。

未来を変えてしまわないために。

今はまだ、この幸せを胸の奥にしまっておこう。

そう、幼いながらに自分へ言い聞かせていた。
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