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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第16章 雄英文化祭編



耳郎はベースを弾きながら、横目でおもちを見た。
彼女は一瞬だけ、自分でも驚いたような顔をしていた。
その表情を見て、耳郎は思わず笑ってしまう。



――ああ、そっか。

おもちも、今この瞬間を楽しんでるんだ。
普段は何でもできて、余裕があって、驚くほど冷静な人。

そんな彼女が、今は自分の歌声に自分で驚いている。

そのことが、なぜだか嬉しかった。

耳郎は顔を上げ、思い切りベースを弾いた。

最高のライブにしよう。

そう決めていた。

でも、きっと今は。
自分たちが想像していた以上のステージになっている。
おもちは再びマイクを握り、観客席を見渡した。
誰もが笑顔だった。



エリは通形の腕の中で、飛び上がらんばかりに喜んでいる。
仲間たちは全力で音を奏でている。


そして、会場全体が、自分たちの音楽を受け止めてくれていた。


彼女は、思わず笑った。
今度は、誰かをからかうためでも、何かを隠すためでもない。


ただ、楽しくて。
嬉しくて。
この瞬間が、たまらなく愛おしくて。


おもちは、もう一度、青い瞳を輝かせた。


そして、最後のフレーズへと声を乗せていく。


その歌声は、聴いた者の耳に残り続けるだろう。


けれど、それ以上に。


彼女自身の胸にも、きっと長く残る。
誰かを守るためでも、任務を果たすためでもなく。
自分が心から楽しむために、声を響かせたこの瞬間が。


文化祭のステージで、おもちは初めて知った。
誰かを笑顔にすることは、こんなにも、自分自身の心まで満たしてくれるのだと。
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