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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第16章 雄英文化祭編


「でも、さっきまでの緊張は?」

「…………」

耳郎は、はっとした。


そうだ。
さっきまで、あんなに緊張していたのに。
本番のことも、演奏の失敗も、観客の視線も。
今は、そんなことを考える余裕すらない。


頭の中を占めているのは、目の前の美しいクラスメイトに頬へキスされたという衝撃だけだった。


「……ない」


「え?」


「緊張、どっか行った……」


耳郎は頬を押さえながら、呆然と呟いた。
すると、おもちは満足そうに目を細めた。

「ほら。吹き飛んじゃったでしょ?」

あの悪戯っぽい笑み。
余裕たっぷりで、少しだけ人をからかうような、彼女特有の表情だった。

「…………っ!」

耳郎は再び顔を赤くした。

「……ほんっと、ずるい!」

「ふふ。褒め言葉として受け取っておくわね」

「褒めてない!」

そう言いながらも、耳郎の口元には笑みが浮かんでいた。
先ほどまでの強張りは、すっかり消えている。


それどころか、妙に気持ちが軽かった。

「……よし」

耳郎は頬を一度だけ押さえ、深呼吸をする。

「やってやる。絶対、最高のライブにしてやるから!」

「ふふ」

おもちが微笑む。
その瞬間だった。


「はいっ!!」


芦戸が勢いよく手を挙げた。

「私にもやって!!今のやつ!!」

「えっ?」

おもちが目を瞬かせる。

「私も!私もお願い!」

葉隠もすかさず隣に並んだ。

「ねえ、緊張が吹き飛ぶんでしょ!?私、さっきからドキドキしてたんだよね!」

「いや、葉隠は姿が見えないだけで、今めっちゃ前のめりになってるだろ!」

上鳴が突っ込む。

「上鳴くんも並びたいんじゃないの?」

「なっ!?べ、別にそういうわけじゃ……!」

「じゃあ、俺が先にお願いしようかな」

瀬呂がすっと列に加わった。
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