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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第16章 雄英文化祭編


その頃、おもち自身も、少しずつ眠気に襲われ始めていた。

腕の中のエリは温かかった。

子ども特有の柔らかな体温が、服越しにじんわりと伝わってくる。胸元に預けられた小さな頭。自分の袖を掴んだままの手。耳元で聞こえる穏やかな寝息。
どれもが、任務の最中には決して得られなかったものだった。

誰かを警戒する必要もない。

周囲の気配を探る必要もない。

次に何が起こるか、先回りして考え続ける必要もない。

今だけは、ただここに座って、この子を抱いていればいい。


「……あたたかい」


思わず零れた呟きは、自分でも驚くほど小さかった。
まぶたが、ゆっくりと重くなっていく。


昨夜も遅くまで文化祭の準備をしていた。ここ数日は練習に加えて、公安からの報告確認や残務にも追われていた。身体の疲れを自覚する暇さえなかったのだ。



けれど、今は。
腕の中にある小さなぬくもりが、張り詰めていた心までゆっくりとほどいていく。
おもちは椅子の背もたれに身体を預け、エリがずり落ちないように抱き直した。


「少しだけ……」


誰に言い訳するでもなく呟き、そっと目を閉じる。
教室には、ギターの音を確かめる音や、ドラムの調整をする音が響いていた。耳郎たちは約束どおり、教室の隅にいる二人を気遣いながら練習を再開している。

その音を遠くに聞きながら、おもちの意識も少しずつ曖昧になっていった。

やがて、彼女の頭がわずかに傾く。
腕の中のエリを抱いたまま、おもちもまた、うとうとと眠りに落ちかけていた。

眠る少女の小さな手は、相変わらず彼女の袖を握りしめている。

そしておもちも、その手を離さないように、優しく抱きしめ続けていた。
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