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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第15章 死穢八齋會


死穢八斎會の関係者が出入りする建物は、外から見れば、さほど目立つ場所ではなかった。


しかし、一歩中へ入れば、空気が違う。

壁際に立つ男たち。 低い声で交わされる会話。 こちらを値踏みするような視線。

彼女は歩みを止めなかった。

ヒールの音が、廊下に規則正しく響く。

「おい」

入口近くにいた男が、彼女を呼び止めた。

「見ねぇ顔だな。新入りか?」

彼女は足を止め、ゆっくりと男を振り返った。

「そうだけど?」

「へぇ……」

男の視線が、彼女の顔から身体へと遠慮なく滑っていく。

「末端の構成員にしとくには、もったいねぇツラと体だな。誰の愛人だ?」

下卑た笑い声が混じった。

周囲にいた男たちも、面白がるようにこちらを見ている。
彼女は、内心で小さく息を吐いた。



――なるほど。初対面の人間を、まずは外見と立場で値踏みする。

言葉遣い。 視線の動き。 周囲との距離感。
ほんの数秒で、いくつもの情報が頭の中に蓄積されていく。


この男は、少なくとも彼女を警戒していない。
新入りの女を、軽くからかっているつもりなのだろう。

ならば、こちらもそれに合わせればいい。
ここで怒りを見せても、得られるものは何もない。むしろ、相手にこちらの反応を覚えられるだけだ。


彼女は男の目を見て、薄く笑った。

「随分と口の軽い男ね」

「……あ?」

「初対面の女に聞くことが、それ? ずいぶんと退屈な人生を送っているのね」

一瞬、男の表情が固まった。
だが、彼女は構わず続ける。


「安心しなさい。あんたの好みに合わせて愛想を振りまく趣味はないわ」


そして、ハイヒールの踵を鳴らしながら、一歩近づいた。


「それとも何かしら。私の身元を確かめる権限でも持っているの?」



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