第22章 恋の神様♡のち・・・
「そういや今、気付いたのんだけど、そのランドセルのベルトんとこ・・・」
僕のランドセルの右のベルト。
なんだ、今までもずっと一緒に帰ってたのに、気づいてなかったのかよ。
「愛里沙の歯型だよ」
そう、僕が小学校1年生の時、愛里沙に引っ張られて登校班からはぐれてしまい、転んで泣いちゃった時、愛里沙がおぶってくれた。その時、愛里沙は僕のランドセルを口に咥えて持っていこうとしたのだった。
その時噛み締めた愛里沙の歯型がバッチリ残っているのだ。
「そ、そんなのさっさと修繕するとか、もっと目立たなくするとか!!」
自分の歯形が残っているのが急に恥ずかしくなったのか、顔を真赤にして愛里沙が抗議する。今更だろ。僕はほぼ丸6年、この歯型つきランドセルで過ごしてたんだぞ。
武内先生の言葉の影響もあったのか、僕はこの時、ちょっとだけ気が大きくなっていた。卒業式で興奮していた・・・せいもあるかも。
「僕と愛里沙の大事な記念だからね」
チュッと、その歯型にキスをしてみせた。
ほんの、冗談のつもりだったし、僕の予想では愛里沙からパンチのひとつでも来るだろうと予想していたのだが・・・。
ボン!と愛里沙の顔が真っ赤になった。
「な・・な・・なによ!・・・き、記念とか・・・い、言っちゃって!」
しどろもどろ、を絵に描いたらこうなるのではないかと思うほどの顔だった。
それを見て僕は笑ってしまった。
笑ってしまって、そして、また気持ちがいっぱいになった。
中学校も、一緒に過ごせる。
それがとても嬉しかった。