第21章 天女の失踪のち・・・恋の神様♡
なんだ、この二人、そっくりじゃないか。
好きな人に好きと言えない。
理由は違うかもしれないけど、極度のツンデレ。
「逃げんな!あんたこそ!逃げるなぁ!!!」
愛里沙が叫ぶ。
そうか、愛里沙にも分かったんだ。分かっていたんだ。
あの日、パーティの日、そもそも風見先生は愛里沙と武内先生をどうこうしようという気は毛頭なかったんだ。最初から、愛里沙が素直に僕に好きと言えるシチュエーションを作って、それで・・・自分は本当の気持ちを何も言わずに辞めようとしていたんだ。
二人のツンデレが、真っ赤な顔をして向かい合っている。
僕の胸にこれまでに見た、いろんな顔の愛里沙が去来する。
無茶を言ってきて、困らされたこともあった、
突然首しめられたり、頭殴られたりなんてしょっちゅうだ。
でも、笑顔が可愛くて、絶対に、絶対に裏切ることがない真っ直ぐな女性(ひと)
ああ・・・やっぱり、愛里沙が・・・一番好きだ。
胸がいっぱいになる。だから、武内先生に言ってしまった。
「先生・・・相談ですが、今だけ、目をつむってもらえませんか?」
すると、武内先生も僕に言った。
「なんだ、先生もちょうどお前らにお願いしようと思っていたところだ・・・。このこと、誰にも言うなよ?」
先生も、似たようなこと考えてたんですね。
僕らは互いに目配せをする。
そして、歩み寄った。
僕は愛里沙に、
先生は、風見先生に。
そのままおもむろに抱きつくと、二人の男は、二人の女の唇を、同時に奪っていた。
「え?」
「何!?」
男たちの突然の行動に、二人の女性は戸惑う。
でも、その瞬間、僕は感じた。
恋の神様が笑ったことを。